白蛇のとおりみち

来た道が消えないように、少し抵抗してみる

始点

 あの日、白蛇を見た。

 多分小学1、2年生の時だったはずだ。曾祖父の墓参りへ行った帰りに丈の低い草むらの中に見つけたが、すぐに這って逃げてしまった。珍しいのではあろうが、若緑の中に白いのがほっそりと居たので、見つけるのはそう難しいことではなかった。

 こう書いてはいるものの、十数年前の、しかも幼いころの記憶なので本当に見たのかは定かではない。しかし、その光景は色鮮やかに、はっきりと思い出すことができる。

 今日から私は、そんな幻の白蛇の名を借りて文章を書いてみようと思う。